長編

□なにがあっても2
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「おい!!冗談も大概にしろよっっ。」

「だから、私は大真面目よ!あんたしつこいのよ、さっきから!」

「乱馬くんも、あかねちゃんも
安静にしていないといけないから落ち着いて…!」




連絡を受け、
慌てて駆け付けた天道家の面々は
治療室に入るなり驚愕した。

あかねの無事を確認できてホッとしたものの、
一見いつも通りの喧嘩をしている
乱馬とあかねのはずなのだが。


なんと、まあ。

あかねが困惑するムースの腕に、
何故かギューッとしがみ付いているではないか。

おまけに、先程からムースの事が好きだ
とやたら連呼している。



「一体これはどういう事だね、乱馬くん!」

「パフォフォー!」

「俺が知るかー!」


到底理解出来ないこの状況に、
二人をたしなめていた東風を
突き飛ばして乱馬に凄む、
早雲とパンダ姿の玄馬。


それに対し驚いてはいるものの、
わりとマイペースなのが
あかねの姉二人だ。

「夜分にすみません、東風先生。」

「かかかかすみさん!!」

舞い上がる東風に首をかしげながらも
のほほんと笑顔で挨拶をするかすみ。


「あかね、あんたまた記憶喪失ー?」

なびきはオブラートに包む事なく、
冷静かつストレートに質問を投げかける。


「違うわよっ。みんなの事ちゃんとわかるもん!」

心外だとムッとするあかねに
皆は無言で顔を見合わせた。




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